戦国時代の天文13年(西暦1543)、初めて火縄銃と黒色火薬が伝来し、以来、諸種の工夫、考究がされました。

 なかでも城攻め用の「火矢」から転じて火薬を利用した「のろし」が考案されました。

 「昼のろし」は煙や布きれ又は旗などを空中に漂わせ、「夜のろし」は光で合図をしあったと云われております。

 この情景から昼のろしは「龍勢」といい、夜のろしは「流星」と呼びました。

 当地には、両のろしの技法が口秘伝のまま受け継がれ、更に工夫改良が加えられ、元禄年間からは草薙神社の秋季例祭日に、五穀豊穣、家内安全、商売繁昌を祈願して、打ち上げが行われて来ました。

 一面、近年の宅地化など諸般の状況から、速やかにこの技法の記録保存が注目されて、文化財保護法に拠り、昭和59年3月静岡県選択無形民族文化財に指定され、平成15年4月静岡県指定無形民族文化財に指定されました。 〜草薙大龍勢プログラムより〜

私たちの街にはヤマトタケルノミコトの伝説があります。
伝説のカタチは様々ですが、ヤマトタケルノミコトとヤマタノオロチという8つの頭と尾をもつ大龍との闘いで、燃え盛る炎の中、草をなぎ払い難を逃れつつ、大龍との闘いに勝利し、切り刻んだ大龍の尾から「クサナギノツルギ」という、神剣が出て来た。。。
うろ覚えながら、そんな伝説をテーマに数十年も前の小学生時代には「草薙まつり」という全校生徒で伝説を再現する行事があり、龍勢の存在も同時に幼い心に刻まれました。
「草薙大龍勢」では、龍勢1本1本に呼称がつけられます。2006年から龍勢を上げさせていただくお手伝いを始めましたが、八首龍という災難から街を守ったヤマトタケルノミコトの勇気と、勝利の証である「天叢雲剣あめのむらくものつるぎ」(クサナギノツルギ)を私たちの龍勢名とさせていただきました。